近年、VR/AR技術はゲーム業界のみならず、医療分野やその他の分野でも利用されるようになりました。
特に建築分野では、ウォークスルーアニメーションのプレゼンムービー等、
VIVEコントローラーによる入力を伴ったビジュアライゼーションの現場で活用されています。
液晶画面上に(内覧用の)モデルルームを表示したいとき、あるいは室内の家具の配置を考えるときに、VR/AR技術は有用です。
なぜなら実際の建築物・家具を設置する必要がなく、
以前より制作会社に蓄積されたCGアセットを活用でき、大幅な省力化が図れるからです。
この点は、建築分野においてVR/AR技術が注目を集めている大きな理由です。
通常、建築系のVRのコンテンツ開発にはゲームエンジンが用いられます。
代表的なゲームエンジンとして、UnityやUnrealEngine4が挙げられます。
ゲームエンジンとは文字通り、『ゲームを作るためのエンジン』です。
(近頃は建築などゲーム以外の用途にも使われることも増えています。)
さて、話は変わりますが、『Stingray』というゲームエンジンがあります。
Stingrayは2年前にAutodesk社がリリースしたゲームエンジンで、
拡張性の高いシステムに、一目でわかるビジュアルスクリプティングが特徴です。
また、Mayaや3dsMaxで有名なAutodesk社がリリースしたエンジンであるため
上記の3Dデザインツールとの連携も容易というメリットがあります。
ただ、UnityやUnrealEngineに比べると情報が少ないのが難点です。
Autodesk公式が運営しているチュートリアルと、
Stingrayそのもののヘルプページを除くと、Stingrayについての情報を見つけるのはかなり難しいと思います。
前置きが長くなりましたが、
数回に分けてStingrayについて、このブログに書いていくことにします。
ビジュアルスクリプティングをメインに書いていく予定です。
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・Stingrayに興味があるが触ったことのない方
・あまりゲーム開発やゲームエンジンにあまり詳しくない方
・HTC Viveのセットアップが既にできている方
・プログラムが全く分からない方
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このページは上記のような方々を対象にしています。
今回は、『Stingrayの起動』から、『VRテンプレートのプレイ』までを書いていきます。
1.まずはプロジェクトを作成を行う

最初はプロジェクトの作成を行います。
StingrayのランチャーからStingrayを起動します。
起動直後の画面では、いくつかのテンプレートが表示されているはずです。
(表示されていない場合、画面のタブから『Templete』を選択してください)
このテンプレートの中から、使用したい物を選びます。

今回はHTC Viveで動かすため、『VR HTC Vive』のテンプレートを使用します。
すると、下の画像にあるようなウィンドウが出て来ます。

『Name』はプロジェクトの名前なので好きな名前にしましょう。
『Directry』はファイルを保存する場所ですが、何かしらのこだわりがない限りはそのままで大丈夫です。
設定が終わったら『Create』ボタンをクリックします。
これで新規プロジェクトの作成は完了です。
2.プロジェクトをプレイする

しばらく待つと、上の画像にあるような画面が表示されます。
これがStingrayのメイン画面になります。
お気付きの方もいるかもしれませんが、
Stingrayはいくつものタブの組み合わせによって構成されています。
タブは閉じたり、追加したり、別のウィンドウに表示したりもできるため、
自分が使いやすいようにカスタマイズができます。
ちなみに、タブはドラッグによって動かせます。
このタブが、Stingrayのメインとなるもので、現在開いているレベルを操作することができます。
まずは、この状態でプレイしてみます。
画面左側の緑色の三角形をクリックするとプレイが始まります。
HMDを被ってみると、部屋の中にいることがわかるはずです。
部屋にいないように見える場合や、画面が真っ暗な場合は、
そもそもHTC Viveが接続されているか確認してください。
この時、頭の位置が普通の高さにある事を確認してください。
床の上にあるように感じたり、もしくは明らかに高い位置にいるように感じた場合は、
HTC Viveのトラッキングに失敗しているため、再度トラッキングを行ってください。
親指の位置にあるボタンを押すと、向いている方向に移動、
ボールなどの物に近づいて人差し指のトリガーを引くと、物を拾うことができます。
物の位置をリセットしたい場合は、『Reset』のボタンに近づいて、人差し指トリガーを引いてください。
尚、コントローラが見えない場合は、コントローラの電源ボタンを再度押してください。
キーボードのESCキーでプレイを終了します。
『VR HTC Vive』テンプレートの機能は以上です。
さて、いかがでしたでしょうか。
次回は、『Stingray』の大きな機能の一つである『Flow』と、